複数同じものを作るときはなんと言っても裁断を効率的に進めること。
縫製工場で裁断の経験もある筆者が個人での制作にも活かせるポイントをご紹介します。
なぜ裁断が最大の時短ポイントなのか
縫製工場でも縫いは1枚ずつ職人の手によってなされることが多いです。
熟練度や機器の差はあれど基本的に1点ずつ人が手をかけることは変わりません。
ところが裁断に関してはテクノロジーの力で何枚も、一度に、正確に、裁断できるのです。
人が拘束される時間がもう圧倒的に違う!
正直、出せば売れるような人気作家さんの場合、裁断はCAMという裁断システムを導入している会社に外注に出すのが最速、最強だと思います。
洋服などの大きくてパーツも多いアイテムならなおさらですね。
裁断にかける時間は最低でも半分以下、数が多ければ多いほど時短になることは間違いないでしょう。
でも多くの作家さんはそこまで量産するわけではなく、とりあえず2、3点作りたい、というケースが多いでしょう。
そこで私の裁断方法をご紹介します。
裁断のやり方
①生地の状態を確認
- 生地を広げて傷や落ちない汚れがないか
→あればシールなどで印をつけておく - 裏表はあるか
- 柄は上下があるか、毛並みはあるか
→あるとさしこみ裁断(型紙の天地を逆にして用尺を節約できる方法)ができません。
こんな生地ですね。

- 柄合わせが必要か
- 地の目はどれくらい曲がっているか、縮みやすい素材か
- シワはないか→ひどいシワはアイロンで伸ばしておきます
以上のように生地の状態を確認し裁断の流れを頭のなかでシミュレーションします。
縫いは間違ったらほどけばいいですが裁断は間違ったらおしまいです。
準備は念入りにしておきましょう。
②生地を重ねて並べる
専門用語で「延反」といいます。
一回の切る動作でなるべく多く裁断したいですよね。
厚い生地はともかく薄い生地やずれにくい生地はできるだけ重ねましょう。
このときなるべく地の目が曲がらないようにそっと重ねていきます。

③型紙を配置する
なるべく生地を無駄遣いしないように型紙を置いていきます。
差し込みできるのであれば差し込みましょう。
また布の耳(生地の端)の近くは地の目が曲がっていることが多いです。
服であれば前中心、後ろ中心など目立つ箇所は耳側でなく真ん中よりに配置するとよいです。

④切る
私は基本的にカッティングマットと重石、ロータリーカッターを使います。
型紙は縫い代がついていることが前提。
はさみは生地を持ち上げることになり、ずれやすいので粗裁ちする時以外は使っていません。
(粗裁ちとはパーツに余裕をつけて裁つことです。芯貼りなど何らかの処理をしてから改めて型紙通りに裁断します。)

⑤印つけ
合い印は基本的にノミで2〜3mm切り込みを入れます。
ダーツ止まりやポケット付け位置など切ることができない部分は糸で印をつけます。

縫いながら途中でものさしをあてて印をつけるよりより、上流で手をかけておくことがスムーズな縫製につながります。
裁断が時短できるその他の方法
ポーチなど小さなものであれば型を作ってくり抜くという方法もあるようです。
金型を作りハンドプレス機などで力を加える方法です。
投資が必要にはなりますがうまく軌道にのればカッターで線に沿って切るよりは早いでしょう。
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